図書室の日記帳

もちろん、幼馴染みの咲希には叱られた。
「なにやってんの!!人の日記もいいけど、本の友達つくるまえに人の友達つくりなさいよ!!」
だ、そうだ。

べつに友達がいないわけじゃない。

でも、多くなくていい。


それに、僕の友達は、本が好きな僕のことを理解してくれている。

だから、僕は心置きなく、書物と言うものに没頭する。

「まったく、そんなんじゃ、将来困るよ」
と、呆れ顔で咲希は言うけど。
そんな咲希だって僕のことを理解してくれている、友達だ。


たくさんはいない友達と、本の話題で盛り上がったり、空や、星の話で笑う。
咲希曰くの「地味系で枯れ系」男子。



そんな日々を送る僕にとって、小沢祐子という人物の日々は、かけ離れていた。

むしろ対局だ。


彼女は、たくさんの人に好かれる人間だった。

日記を読んでいて、わかった。

クラスの中心となる人物で、人望も厚く、明るくて、元気な──。

だからこそ、僕はこの人物に惹かれたんだろう。


この、小沢祐子という人の日記を見ることは、僕の楽しみのひとつになっていた。
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