女王さまの憂鬱
「相変わらず、梨香は冷たいね」
おどけたように笑うのは、長めの黒髪に最近パーマをあたたばかりのわたしの親友。
片桐さくら。
童顔な彼女は、大学生となって半年たった秋になっても、今だに高校生に間違われる。
「だいたいわたしは、なんでさくらにばっかり男が寄ってくるのか不思議だよ」
確かに、くるくる変わる表情と、少し天然なところはかわいいかもしれない。
つまり、外見はいい。
それは認める。
「知らない。頼んでないもの。私は来るものは拒まず」
「去るものは追わず、でしょ?」
その不誠実な態度だけは改めるべきだと思うのはわたしだけではないはず。
断じて、わたしだけではないに違いない。
「私はね、梨香ちゃん」
彼女の好みはレモンティー。
甘いだけのミルクティーには興味はない。
「金魚すくいが好きなのよ」
捕まえるまでは楽しい。
だけど飼うのは面倒臭い。
「つくづく、ひどいなぁ」
何か言った?
そうくすりと笑うと彼女は、トトンとリズムよくテーブルの縁を叩いた。
おどけたように笑うのは、長めの黒髪に最近パーマをあたたばかりのわたしの親友。
片桐さくら。
童顔な彼女は、大学生となって半年たった秋になっても、今だに高校生に間違われる。
「だいたいわたしは、なんでさくらにばっかり男が寄ってくるのか不思議だよ」
確かに、くるくる変わる表情と、少し天然なところはかわいいかもしれない。
つまり、外見はいい。
それは認める。
「知らない。頼んでないもの。私は来るものは拒まず」
「去るものは追わず、でしょ?」
その不誠実な態度だけは改めるべきだと思うのはわたしだけではないはず。
断じて、わたしだけではないに違いない。
「私はね、梨香ちゃん」
彼女の好みはレモンティー。
甘いだけのミルクティーには興味はない。
「金魚すくいが好きなのよ」
捕まえるまでは楽しい。
だけど飼うのは面倒臭い。
「つくづく、ひどいなぁ」
何か言った?
そうくすりと笑うと彼女は、トトンとリズムよくテーブルの縁を叩いた。