帰宅部にお任せを

腹を括ってわたしは一歩前に出た。

「わたし達こそすみません。『丸山さんが由美さんを嫌ってる』なんて、嘘をついてしまいました」

ぺこぺことこちらが頭を下げる。


「え、嘘だったの?」

お嬢様は驚いて、丸山さんに目を向ける。


「うん、わたしは嫌いじゃなくて大好きって言った」

丸山さんは頷く。


二人は何か通じ合ったらしく、目を見合わせて笑った。

こちらもほっと息をつく。


「ありがとう」

彼女達は何度もそう言って、去っていった。




「いいなあ」

心を許しあえる二人が羨ましかった。


すると、コツンと頭を小突かれた…なんてもんじゃない。

頭をぶたれた。


「いたーい!!!」

頭を押さえる。
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