secret name ~猫と私~

「歳は?!」

そういえば、知らない。
年下である事は間違いなさそうなのだが、聞いたことも無かった。

「年下じゃない?詳しくは知らない。」

「背は?」

「高い。」

「年収は?」

年収・・・猫の年収など、知るはずもない。
でも、特殊な職業だし、安くはないはずだ。
社長が雇ってくれるというので、料金的なものを全く知らない。
いったい、どれだけの金銭を払えば、猫を雇えるのだろうか。

だんだんと話がおかしな方向にそれているのを、佳乃は止められない。
職場では怖い上司の彼女は、残念ながらこの場では一番立場が弱かった。

「いや、契約のコだから。」

「契約?正社員じゃないの??」

今度も息ぴったりに、3人は溜め息を吐く。
正社員かどうかは、収入の安定を求める女性には大切なようだ。
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