背中を合わせて【完】
最初は何してるかもよくわからなかったし、ただ呆然と見てただけで気にもとめなかった。


でもその光景は朝早く起きるたびに見れて、そのうちあの人は毎日1人で何をしているんだろうと気になるようになっていく。


そのことを零に話すと、興味津々な様子だった。



「なになに?圭、浮気?」



冗談半分なんだろうけど、バーカと言って握った拳を軽く零の頭の上にのせる。



「浮気もなにも、見てるだけだっつーの。しかもその女の顔すら見えねーし。」



ただ否定した圭の言葉が、零には言い訳しているように聞こえて、ふーんとにやけながら圭を見る。


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