背中を合わせて【完】
今はバイト先にも10月いっぱいで仕事を辞めると伝えたり、家の解約を進めたりと日本を発つ準備を進めているらしい。


だから未夜は再びギターを持ってここへ来た。


懐かしきギターと一緒に過ごす朝。


いつも歌っていた歌。


零と過ごした時間がこの公園にあることをふと思い出すと、また歌を零に聞かれているような気がした。


今までは誰にも歌を聞いてほしくなくて、いつも誰もいないこの公園で歌っていたけど、今度は零に聞いてほしい。


だから零に歌を作った。


今日からはその練習だ。


零の居ない公園で未夜がギターを弾きながら歌う日々が続いた。
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