背中を合わせて【完】
「いいからおろしてよ。」


「もうちょっとしたらおろしてやるから。」



その言葉の通りに少し歩いたところで、未夜の身体は解放されて地面におろされた。


その場所は公園の端にある水飲み場だった。


しゃがみこむ男は水飲み場の石の側面についている水道の蛇口をひねって水を出す。


水が地面に落ちる反動でピチピチと跳ねる水しぶきは未夜のズボンと男に降り掛かる。


蛇口をひねって水の量を少なくしたら、跳ねる水しぶきも気にならない。


男はテキパキと未夜の右ズボンの裾をめくった。


未夜は驚いて、なにしてんのよと口を開くが男は無視。



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