幼なじみと付き合った場合。
伊織と話してるのは、小菅くん。


ふたりの声がでかいから、聞きたくなくても聞こえてきちゃう。


「赤松!なんでひとりで帰ってんだよ」


「んあ!?テメーに関係ねぇから」


伊織は小菅くんを見もせずに、雑誌を読んでる。


「なー、どーすんだよ。週末、松本んちに行くわけ?」


……えっ、松本さんの家に?


なんの話なの?






「行くかよー……なんで俺が……」


「彼氏のフリするだけだろ?安いもんじゃん」


彼氏のフリ……まだその話、続いてたんだ?


あたしはドキドキしながら、ふたりのやり取りを見つめていた。


「めんどくせぇ……俺じゃなくてもさー。メールしつけーんだよ。断ったし、もう誘ってこないと思う」


「そっか。松本、美人なのにな」


「だったら、お前が行け?俺は勘弁してほしー」


「タイプじゃない!」


「俺の知ったことか!!」


ふたりは、じゃれあいながらそんな話をしてる。


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