片恋い想い。




流れる沈黙が怖くなって話を切り出した



「わ、私…用事!用事…思い出したから!」



「ムカつく奴」




やっぱり怒ってたあー!



逃げて正解だったよね



篤也は昔から怒らせると面倒なのだ



走って廊下を駆けてくと二つに結んだ髪が流れるように舞う



気持ちいい…



暑いけど宛もなく走るとか、青春みたいで私は好き




そのくせ、運動神経がかなり悪い…




マラソンなんて頑張っても前の人に追いつかないし…




明日は三年生、高校最後の体育祭なんだよね



優勝、できるといいね








窓の向こうの雲を見つめながらそう思っていた






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