恋の戦國物語

「政宗様だわ」

「ほら、そこ!道を開けなされ」

「何故一人で歩いていらすの?」

俺を見た女中は、こそこそと口々に話している。

俺はそれに目もくれず、行き止まりの所へと足を進めた。

行き止まりに続く廊下を早々と歩き続け、とうとう最後の曲がり角を曲がった。

「っつ…」

瞬間、窓から差し込む太陽の光に目が眩む。

その太陽の光が、ある人を包むように見えるのは気のせいではないと思えた。

「あ、愛!」

そこに太陽の光に包まれながら崩れるようにして倒れていた愛を見つけた。

急いで駆け寄って、抱き上げようか悩む。

…仕方あるまい。
ここに人が倒れておるというのに見捨てるのは抵抗があるのだからな。

少し躊躇いつつ、ぐっと腕に力を入れて抱き上げた。

…何だ、この女子…。
しっかり食べておるのか…?

あまりにも細すぎるから、自分をも疑うような軽さに異常を感じる。

睫毛が長くびっしりとはえている瞼が閉じられた愛の顔をまじまじと見つめると、泣いたのであろう涙のあとが残っていた。

――相当泣いたな…。

恐らく、泣いて倒れた…いや、正しくは泣き疲れて眠ってしまったのは、結構前の時間帯だったのであろう。

政宗はふっと息をつくと、周りの目線を気にせず小十郎のいる部屋の元へと足早に向かったのであった。


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