幸せのカケラ
去年はネックレスをもらった。
いつも、身につけている。

「また、束縛アイテムだけどな(笑)」

束縛だなんて、思わないよ。
だって…
「すっごく…嬉しい……ありがとう……」
あなたの気持ちが、とてもうれしいから。
あたしは指輪の入っている箱を、翔に差しだす。

「つけて?」

フッと笑うと、翔はあたしの手を取り、右手の薬指にそれをはめた。

「左手に付けるのは、まだ先な。その時は、もっといいヤツな」
「うんッ…」

涙が、溢れてくる。

そんな涙を、優しく拭う指。

もう少しで、頂上だ。

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