~君という光~
「バイバイ?
 お前ひどくなったよな。
 昔みたいに明るくしてくれよ。」

透真が悲しそうな目であたしを見る。

「昔?」

昔…。
あたしが透真という存在を知ったのは高校生になってからだ。
なんで昔という言葉が出てくるのか。

「お前覚えてないの?
 中1に時に引っ越してきて中2の終わりに転校した…」

透真があたしと同じ中学に通っていた?
知らない。
透真?
知らない。

知らない…?

知っ…てる。

引っ越してきた男の子。
明るくてかっこよくて優しかった男の子。
そういえばいた。

「あぁ…思い出した。」
< 55 / 173 >

この作品をシェア

pagetop