私の歩く道
変わる毎日

危龍灰


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暗闇の中で
優香が泣いていた

手伸ばそうとしてやめた

もう会わないって
もう仲良くしないって

決めたし

そう思っていると

優香が睨みながらこっちに向かってくる

「な、なに」

優香は私を睨みながら
ずっとぶつぶつ何かを言っていた

「なに?聞こえない?」

優香は立ち
私を見下ろしながら

大きな声で
「友達って言ったのに!!!!!!
なんで助けてくれないのよ!!!!!」

私の肩を揺らしながら
何回も何回も狂ったように
私に訴えてくる

私はビビりながらも
「裏切ったのはあんたでしょ!」

優香の胸に手をおき
跳ね返した

飛んでいった優香は
倒れながらまた狂ったように笑いだした

「はっ、ははっはっはっはっ
ははっはっはっははっはっははっはっ」

「やめて!!
お願い!!やめてー!!!!!」

―――――――――――――――――――
うっすら目が開いていく

「ぃ‥‥おい!」

「んぅ?」

「お前誰」

さっきまで優香の顔があったところに
今は男の顔がある

「麻衣」

とっさに答えた自分の名前

そして気づいた

生きていること

死んでなかったこと

なんで、なんで、

「なんで死んでないの」

とっさにくちにだしてしまった



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