猫が好き!


 荷物を手に取ったものの、踏ん切りがつかないまま、ぼんやりしていると、ポケットの携帯電話が、メールの着信を告げた。

 確認すると、真純からのメールだった。
 不審に思いながら、メールを開く。

 そこには文章はなく、画像が添付されているだけだった。

 何かの場所を示したものと思われる地図の画像。
 スクロールさせてその下にあるもう一枚の画像を目にした時、背中に冷水を浴びせられたような気がして、進弥の目は一気に見開かれた。

 口にガムテープを貼られ、ぐったりとして目を閉じた、真純の姿がそこにあった。

 進弥は荷物を置いたまま、玄関と門扉の施錠ももどかしく、急いで家を飛び出した。

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