猫が好き!


 シンヤ: それって、あなたの配慮? 辺奈博士


 ハルコの返事がないので、進弥はそのまま入力を続けた。


 シンヤ: 最初のアクセスと、最後の1行だけが本物のハルコで、他はあなただよね?
 ハルコ: どうして、そう思うの?
 シンヤ: 一人称が変わってた。それと寒い部屋にいるって言った。コンピュータのハルコに寒いってわかるの?


 少し沈黙した後、ハルコは進弥に挑戦状を叩きつけた。


 ハルコ: シンヤ、本物のハルコに会いたかったら、ここまで来なさい


 チャット画面は唐突に消えた。

 進弥は画面を見つめて、不敵に笑う。


「待ってろよ。必ずそこまで行ってやるからな」


 あのチャット画面は、以来進弥のマシンで二度と開く事はなかった。

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