猫が好き!


「嫌いじゃないけど、僕は絶対、猫が好き。昔実家で飼ってたんだけど、いつもは素っ気ないのに、たまに甘えてひざに乗ってきたりするのがいいんだよね。散歩に連れて行かなくてもいいし」

「おまえ早起きできないから、散歩に行きたくないだけでしょ」


 真純の指摘に、シンヤは絶句する。
 だが、ふと気付いたようにつぶやいた。


「あ、でも、猫は真純さんで間に合ってるか……」


 そしてニッコリ笑うと、勝手に結論を下した。


「じゃあ、何も飼わなくていいよ」


 その、さりげない強引さに少しムッとして、真純はシンヤを睨む。


「なんでおまえが決めるの。私、まだおまえを拾ってないんだけど」
「え……拾ってくれないの?」

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