猫が好き!


 シンヤは隣に座り、ネクタイを緩めながら、側に置かれた缶ビールを指差した。


「これ、少しもらっていい?」


 相変わらずいちいち断るシンヤに、思わず苦笑する。


「いいけど。もうほとんど空だよ。もう一本持ってくるから」


 立ち上がろうとすると、腕を掴まれた。


「あ、わざわざいいよ。真純さんが飲みたいならかまわないけど」
「私はもういい」
「じゃあ、残りは僕がもらうね」


 そう言ってシンヤは、少しだけ残ったビールを一気に飲み干した。
 空になった缶を横に置き、シンヤは再び真純を抱きしめる。


「どうしたの?」

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