猫が好き!


「ンまーっ! あんた、まだフェアリー候補なの? 何やってたのよ、半年も」


 辺奈商事本社ビル二階のカフェで、瑞希が頭の天辺から声を上げた。

 いつものように書類の交換にやってきたところ「シンヤくんとは最近どう?」とニコニコ笑いながら問いかけられた。

 どうもこうも以前と変わりない、と正直に答えた反応がこれだった。

 瑞希はテーブルの上に片手で頬杖をつきながら、呆れたように横目で真純を見つめた。


「あんた、本気でフェアリーを目指してるわけじゃないでしょうね?」
「そんなつもりはないけど、別にシンヤもそんな素振りは見せないし……」


 実は二回ほど危なかった事は黙っておく。

 瑞希は意外そうに目を見開いた。


「あら、シンヤくんって草食なの?」
「……違うと思うけど」

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