猫が好き!


 家にたどり着き玄関の扉を開けると、一階の灯りは消えていた。
 家を出る時からそうだったので、それは問題ない。

 真純は二階に上がろうとしていた。
 自分の部屋にいるのかもしれない。

 進弥は二階に上がり、真純の部屋の扉をノックした。
 返事はない。
 怒っているなら当然な気もする。

 ゆっくりとノブを回してみる。
 すると、あっさり回った。
 中に真純がいるなら、鍵が掛かっていると思っていた。

 不安と共に、胸の鼓動が激しくなってくる。


「真純さん……」


 声をかけながら、恐る恐る扉を開く。
 中を覗くと灯りは消えていた。
 一通り見回して、ドクリと鼓動が跳ねた。

 ベッドは平らなままで、眠っているようには見えない。
 つまりここにはいない?

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