猫が好き!


「須藤さんって、男はみんな敵だとでも思ってそうだったから、ちゃんと男を好きになれる人だったんだ。よかったなぁって」


 そういえばこいつは、ヒマさえあれば合コンを仕切っているような奴だった。

 シンヤも誘われたらしい。
 真純も友人に年上好きがいるからと紹介されそうになり、激しくお断りした事を思い出す。

 男と女がいれば、そこには必ず恋愛感情が芽生え、誰もがパートナーを欲していると決めつけている。

 彼氏がいないのに紹介を断る真純を不思議がっていたが、「男は敵だと思っている」と結論づけていたらしい。

 こいつの思考回路は、やっぱりよく分からない。

 真純は思いきり肩を落として、大きくため息をついた。


「私を敵だと思っているのは、おまえの方でしょ?」


 高木は意外そうに二、三回まばたきをした後、顔の前で激しく手を振った。

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