猫が好き!
ハルコ自身が感染はしたものの、このウィルスがハルコから二次感染した形跡はない。
とはいえ、ハルコがウィルスの外部流出を抑えるためにか、おとなしく診察を受けようとしないので、ウィルスの性質など詳細は不明だ。
現在ハルコはネットワークから切り離され、社内システムはこれまで使用されていたバックアップのコンピュータが、社外のセキュリティ事業もハルコの構築したセキュリティプランを元に別のコンピュータが担っている。
今のところ業務に支障はないが、長引けばいずれ破綻するだろう。
特に社外のセキュリティ事業は、ハルコが監視するという事が売りになっているので、いくらハルコの構築したプランでも、ハルコ抜きでは詐欺のようなものだとそのうち苦情が来るかもしれない。
ウィルスの感染経路を探る過程で、課長は以前”シンヤ”が出没していた掲示板にたどり着いた。
課長が命令したわけではないが、ハルコが時々巡回していたらしい。
そして”シンヤ”が再び現れた事を知ったという。
久しぶりに現れた”シンヤ”に掲示板の常連たちは、病気だったのかと心配する者や、警察に捕まってたんだろうと揶揄する者や様々だったが、おおむね歓迎されていたようだ。