猫が好き!


 分からないので訊いてみる。


「なんで名乗らないの?」
「自分の名前、あまり好きじゃないんだ。だからつけて」


 今ひとつ納得しないが、真純は渋々引き下がる。


「何でもいいの?」
「ポチとかマイケルとかは勘弁。日本人男子っぽいのにしてね」


 拾った子犬だからポチにしてやろうと思ったのに、見透かされてしまったようだ。

 イケメン俳優の名前にして、いちいちフルネームで呼んでやろうかとも思ったが、それは自分自身も気恥ずかしいので、適当につけてやる事にした。


「じゃあ、シンヤ」
「え?」


 彼は一瞬目を見開いた。

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