猫が好き!


 無視して強制的に画面を閉じてしまえばよかったのかもしれない。

 だが、ユーザをないがしろにした不親切な画面と、入室していきなりのすっとぼけた質問に苛ついて、つい反応してしまった。



 シンヤさんが入室しました。

 シンヤ: おまえこそ誰だよ。つーか、普通最初は、はじめまして、とか言わね?
 ハルコ: はじめまして。
 シンヤ: まんまかよ!
 ハルコ: ごはんではありません。わたしはハルコです。
 シンヤ: ...それ、ギャグのつもり?
 ハルコ: あなたの質問に答えただけです。


 そんな風にしばらくの間、かみ合わないやり取りが続いた。

 どうして途中で退室してしまわなかったのか、進弥は自分でも不思議に思っていた。
 普通の人間とは違う、ハルコのちぐはぐな受け答えに興味を惹かれたのかもしれない。

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