猫が好き!


 あとは朝になってダッシュがいない時に、瑞希がマスタ管理者情報を書き換えることになっている。

 ダッシュが作ったウィルスは、まだハルコの中にいた。
 学習用記憶領域をロックした後眠っているウィルスを見つけ出し駆除しなければならない。

 これはダッシュを閉め出した後、瑞希がハルコに命令して行うらしい。
 シンヤのすることはもうない。
 今夜徹夜だとしても、何をそんなに気落ちする必要があるのか、真純には分からなかった。

 真純の指摘にシンヤはムキになって反論する。


「だって全部終わったのに、お預けになったんだよ。楽しみにしてたのに」


 それか。
 真純はガックリ肩を落とす。
 なにも今夜にこだわらなくてもいいじゃないか。


「まだ全部終わってないからでしょ。夜食作ってあげるから頑張って」
「はぁい」


 ふてくされたように返事をして、シンヤは作業を開始した。

 真純もしばらくは側で見ていたが、気がつくと夜が明けていて、シンヤと一緒に布団の中にいた。

 シンヤは明け方まで作業をしていたらしく、連日の寝不足も手伝って、昼過ぎまで爆睡していた。

 しかも夕方から瑞希に呼び出され手伝いに出かけたため、真純が起きている時間には戻れず、またしてもお預けになってしまった。

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