猫が好き!


「おまえ、酒ぐせ悪すぎ」


 途端にシンヤは顔を上げてうろたえた。


「えぇ?! 僕、何か変な事したの?!」

「した。抱きついて離れないし、キスしようとするし。相手によってはセクハラで訴えられるよ」

「マジ?! 全然覚えてない!」


 あまりに悲愴な面持ちがおかしくて、ちょっとだけ気が済んだ。

 どうせ、もうしばらくは何も食べられないだろう。


「朝ご飯はいらないでしょ? 何か飲むなら下りてくれば?」


 そう言って背を向けた時、いきなり腕を強く掴まれた。
 咄嗟の事に驚いて、真純は手にした鍋を取り落とす。

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