猫が好き!


 通常、無関係の外部から、ハルコに侵入するのは容易ではない。
 ハルコ自身の監視の目と、ハルコの挙動を監視するシステムと、二つの監視をくぐり抜けないとならないからだ。

 だが、元々接続が許されているIDとパスワードがあれば、難なくハルコの内部に入る事が出来る。
 もっとも、IDごとにアクセスできる範囲は限定されている。

 ハルコから外部への不正アクセスも、ハルコ監視システムのせいで困難なはずだ。
 その先はシンヤが何か技を使って、目的のサーバに侵入したのだろう。


「私、パスワードとか教えてないよ」

「コンピュータの中、調べれば分かるのよ。そういうイケナイツールもあるの」

「でもパソコンを立ち上げる時にもパスワードがいるでしょ? それはどうやって調べるの?」

「それはヒミツ。あんたがハッカーになったら困るから」


 瑞希はニッコリ笑って、はぐらかした。

 不正アクセスは犯罪だ。
 シンヤは警察に逮捕されるのだろうか。
 もしも、そのために協力しなければならないとしたら、なんとなく気が重い。

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