海辺で恋するシンデレラ
暫くすると、ゴボッと呑み込んだ海水を吐きだし
呼吸を始めた。
良かった――――
ホッと胸を撫で下ろした時、薄く彼女が目を開けた。
「おい、大丈夫か?」
声を掛けるが、瞳が少し揺れるくらいで反応はない。
それでも、救急車が来るまで声を掛ける事を止めなかった。
「もうすぐ、救急車が来るからなっ。しっかりしろ。」
でも、彼女は再び意識を失った。
心臓は動いているし、脈拍もさっきよりしっかりしている。
早く、早く来てくれよ、救急車。
あの時ほど、神様に祈った事はないかもしれない。
少しして救急車が到着すると、救急隊に一通りの説明を終え
一緒に乗り込み病院へ行った。
ただ、俺は彼女のご両親や友人を知ってる訳じゃないし
彼女の携帯電話は、海水に浸かって復活は不可能な状態だった。
でも、彼女の事が心配だった俺は
目が覚めたら連絡くれるように、俺の連絡先を病院に伝えてその日は帰った。