海辺で恋するシンデレラ
「お待たせしてすみません。高倉常務、麗華さん。」
いつもとは違う、仮面の様な笑顔を浮かべ
2人に挨拶する波瑠さん。
「藤堂くん。今、相澤社長とも話していたんだ。君と我が娘との婚約の事。」
ニコニコと笑顔で話す、常務さん。
「本当なのかね?藤堂君。君は、常務の娘と婚約するのかい?」
社長は、ソファに面したデスクの椅子に座り
肘を付いた状態で両手を顔の前で組んでいる。
あれ、この人・・・誰かに似ている気が・・・。
「小父さん、冗談は止めてください。常務、何度も言ったはずです。俺には大切な人がいると。この神崎海桜こそが、俺の婚約者です。」
私を、社長に見えるように少し前にだす。
でも私の腰には、波瑠さんの温かい手が充てられている。
「おぉ、君が海桜さんか・・・話は息子からも聞いているよ。」
目を細め、にっこりと笑みを零す。