海辺で恋するシンデレラ

「あらあら、波瑠だけじゃなく海桜さんもベタ惚れなのね。」


は、はぁ。

曖昧に返事をしながらも、恥ずかしくて顔を赤くして俯いていた。


「兄貴を、ココまで変えさせるとは。凄いね海桜さん。」

「波瑠をよろしく頼むよ。」

「は、はい。」

「さぁ、食べましょ。紅茶も冷めちゃうわ。」


そのあとは、和やかに時は過ぎて行った。

波瑠のご家族は、とても温かくていい人ばかり。


波瑠さんのお母さん、朱莉(あかり)さんは

本当の娘のように思ってくれてるみたいで

今度一緒に、ショッピングに行こうと誘ってくれた。


私のお母さんとも、近々逢いたいと言ってくれたし。

帰る頃には、緊張も解け冗談も言えるほどになっていた。

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