お姫様は王子様を演じてる



「まぁ、いいじゃん。
どう転んだって真琴は出てかねえって。
悠斗も諦めてうまくやろーぜ」



ニヤニヤと笑いながら可愛いこちゃんを宥めるケイ。


いまいち納得がいかないとぷくっと頬を膨らます仕種さえ可愛い…



「悠斗くん可愛いですね」


「……うるさい、勝手に名前呼ばないでよ」



「けど、一緒に暮らすんですし名前ぐらい呼びたいです」



「うざったい、名前なんてどうでもいいから…」



「じゃあ、悠斗って呼びますね」



大きな二重の琥珀色の目を見開くと諦めたようにため息をつく。



「…もう好きに呼んでいいよ、アンタしつこそうだもん」



「良かったー!
僕たちもう友達ですね。」


満面の笑みの私と呆れた顔をした悠斗を見てげらげらと笑うケイの声が部屋に響いた。





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