アンデロス星人
美加
 クップはメチャクチャに走ったので、さらにどこだかわからなくなっていた。

 建物はあるが電気はついていない。

 人もいない。

「はっ、はっ、はっ……まったくヒドイ目に遭ったよ……」

 クップは逃げ切った。安堵したのも束の間だった。前方で物音がした。それも近くである。

「人の気配がする」

 クップは物音がした方向に足を向けた。

「これは?」

 クップの前に自転車が倒れていた。

「この星の住人が好んで利用していた乗物だな。何でこんなところに?」

< 17 / 58 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop