空のような心
空は一色だった。

今の空

空を見ると落ち着く。
大きくて、すべてを包み込んでくれるような包容力があるようで。
今も勤務中だけど、時間を見ては小休憩と言い訳を作って、裏口から空を眺める。自分好みのメンソールが強いタバコを空に吹きかけると、空は優しく受け止めてくれる。分煙とか禁煙とか騒がれている御時世だけど、君は寛大だね。なんて、心の中でつぶやく。
昔は、こんな風に空を眺めることなんか出来なかった。
ううん、今も時々見上げるのが辛いときもある。
それでも空は優しく見守ってくれて、時には誰よりも厳しく叱ってくれた。
でも、君だって生まれたときから、こうじゃなかったんだよね。大変な思いをしたから、今の君があるんだよね。
そんな心の会話を、空を見上げるたびにしていた。
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