恋の宝石箱《鳴瀬 菜々子のオムニバス・teenslove短編集》


「……マジで?
マジで、付き合ってくれるの?」

「……私が聞いてるのよ」

「………」

「………」


ぷっ、とお互いに吹き出した。

そうだね。
こんな始まりもあっていい。

今は………青が綺麗な、夏だから。


「………海に……行こうよ」

「え」

「海ちゃんと俺の、絶景を見に行こう」

「…………。


………うん。……空」


あ。名前。

………知っていたのか。



………なら、分かるよね。
君と俺が、惹かれ合う意味が。








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