龍奇譚-彼の想い-





ただ不思議な事に、今だけはそんなに恐怖心が襲って来なかったのだ。



月が隠れる。



微かに届く月明かりだけを頼りに慎重に歩みを進める。





ここで見付かったら、ここまで追って来た苦労が水の泡。



まあ、術を使って姿を見えない様にしているから大丈夫だとは思うけど。



これが杞憂で終わってくれれば良いけど……



そうもいかないのが俺だったりする。





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