龍奇譚-彼の想い-





「……そこに居るのは、誰?」



掠れた声が聞こえてきた。



一際、刀が光を放つ。





どうやら、無事彼女の元に着いたみたいね。



リョクの光が空間を浮かび上がらせた。





焦点の定まっていない瞳が私を見ている。



痩せこけた頬。



骨の浮かび上がった腕。





これは……



少し、時間が掛かりそうね。



それまで、凌。



転校生の事は頼んだわよ。





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