龍奇譚-彼の想い-
「じゃあ、俺に付いて来て」
何もしないから、俺は。と、目で訴える。
戦うなんて事、意地でもしたくない。
喧嘩だってそうだろう?
それと同じだ。
無駄な争いは好まない。
峰もそれを感じ取ってくれたのか、そのまま俺の後をついて来た。
ただ、痛い様な視線は背中に突き刺さったままだけど。
チクチクと背中が痛い。
……ああ!!!駄目だ。
ちょっと待てよ。
冷静になって、辺りを見渡してみた。
やはり、そこに広がるのは俺が恐怖を抱く存在。
「峰、明かり!!!明かり出して!!!!!」