龍奇譚-彼の想い-
ーーー……そして……
「ここだよ〜」
着いた。
結人くんの引っ張る力が弱まり、足も止まった。
目の前には龍宮邸、横の離れ。
小さな平屋があった。
ここは、まだ来たことのない場所だ。
修行の一環で龍宮の敷地内をランニングしている時に近くを通った事があったぐらい。
ここが、どんな理由で建てられているのかは知らない。
「奥のお部屋でお姉ちゃんが待ってるよ」
結人くんはそれだけを伝えると、母屋へと駆けて行った。