正の数【せいのかず】

新しいミッション

「比奈…少し聞いてくれるか？」
机に伏せている比奈に声をかける。
「なに？」

苛立っている比奈。
だけど変な所素直だから
寄ってくる。

「なんだよ…」

おばさんたちが死んでから
性格が変わった気がする。

「死者を探すんだ」
「死者？」
「ああ、死者を探せばもう誰も死なない」
「何言ってんの？」
「何って…」
「全員殺せばいいじゃん」

比奈…？

「探すなんて怠いし…」

比奈はそういうと教室を出て行った。

比奈の気持ちはよくわかる
犯人が幽霊なのかも疑わしい
なのに、俺は幽霊を信じて
死者を探せばいいと言った。

「隼輝…」
「純…」

いや、むしろ変わってないのは
俺と純だけなのかもしれない。

皆、殺気を漂わせて
お互いを半信半疑に思っているから