正の数【せいのかず】
第十章

止めて

比奈が死んで、
クラスには嫌な雰囲気が漂った。

誰が犯人かわからない…
もう世維の存在を信じた方がいいのか

皆がそう思った時だった。

「みんなー!着席してー!」

女の先生が入ってきた。
けど皆はそれどころじゃない。

明日自分は生きているのか
今死ぬんじゃないかと
震えているんだ。

「隼輝君?学校に関係ないものは
持ってきちゃ……?あら?」


なんか…足が重い…
足の甲辺り…
誰かに乗っかられてる感じ…

「先生…?」
「あなた…席はどこ?」

先生が俺の机の下に
向かって話しかけている。

「隼輝…お前…っぎゃあああああああ!」

きゃあああああ!と
女子達が教室の隅に集まる。


俺は足元を見た。





《キヒっ》









目がなくて…
黄色い帽子を被り…
腕が所々折れていて…
頭が半分なくて…

《キヒヒヒヒヒ》



先生は…これをクラスメイトだと?
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