衆議院議員◇真実 一路◇
「なるほど、それは妙案ですな幹事長。それならば、国民の理解も得易いし経済への影響も少ないかもしれない!」
「さすがは幹事長!発想が違う!」
「いやぁ♪それほどでも♪」
私の意見をパクって喝采を浴びる幹事長の姿を見ていると、なんだか少し複雑な気もするが……
それはそれとして、これで少しは議論も深まるというものだ。
早速、一人の議員がこのアイデアに乗っかって来た。
「生活必需品が非課税という事は、当然『コメ』は非課税になるんでしょうな?
なんと言っても日本人の主食ですからな!」
そう発言したのは、日本一の米所~新潟に選挙区を持つ議員だ。
「でしたら、魚だって非課税でしょう!コメだけでは食事になりませんからな!」
そう発言したのは、『水揚げ量日本一』北海道選出の議員。
「皆さん、食事の後にはお茶を飲むでしょう?でしたら、お茶だって非課税ですよね!」
これは静岡県選出の議員の弁。
「さっきから飲食物ばかりですが、生活必需品という観点からいえば自動車だって生活必需品です。
車無しで生活できるのは、公共の路線が充実している一部の都市だけですよ!」
そう発言するのは、日本最大の自動車メーカーが選挙区に位置する愛知県の選出議員だ。
さすがにこれには異論が噴出した。
「冗談じゃない!
車なんて認めたら、なんでもありになってしまうだろ!」
「そんな事を言ったら、家だって生活必需品だよ……なんでもかんでも『生活必需品』になってしまう!」
「そんな事はありませんよ!
生活必需品では無い物だって、ちゃんとありますよ!」
「例えば何だね?」
「ゴルフグラブとか……」
「えええぇぇぇ~~~~っっ!!」
数名のゴルフ大好き議員から、悲痛な声が沸き上がった。
その中に、幹事長の姿もあったのは言うまでも無いだろう。
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