衆議院議員◇真実 一路◇



「総理、たかだか10パーセントの謝礼ですよ♪

プロ野球の選手で、もしもシーズン通して1割しか打てない打者がいたとすれば、その打者は直ぐにも二軍へと落とされてしまうでしょう。

10パーセントとは、そんなにも低い数字なのですよ!」


「ううっ……」


まさか、私が総理の言葉をそのまま引用するとは夢にも思わなかったのだろう。


総理は言葉を詰まらせて、ただ呻く事しか出来なかった。


「アッハッハッハッハ~~♪」


いきなり大声で笑い出したのは、私の隣にいた幹事長。


「総理、これはマナミ君に一本取られましたなぁ~♪
マナミ君への謝礼が高いと言うのなら、消費税の税率も見直す必要があるのと違いますかね♪」


「うぬっ……」


もちろん、こんな事で総理が態度を変えるとは思わないが……


少なくとも、今夜だけは幹事長と気分良く旨い酒が飲めそうである。




ただ……キャバクラ『ラビット』は勘弁してもらいたいのだが……





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