Only You
「琴美の声を毎日聞いていたい。肌に触れたい。手料理を食べたい。僕の一生のお願い……聞いてくれるかな」

 そう言った彼の笑顔は、雨のあがった公園でサンダルを買ってくれた時と同じものだった。
 あの日から私は遠くで眺めてるだけでいいなんて思っていた光る君を近くに感じられるようになった。

 そんな彼が……私の傍に一生いてくれるって言ってる。

「うん。うん。私もあなたと一生一緒に生きていきたい。同じ音楽聴いて共感したり、綺麗なお花眺めて笑顔になったり、夜に唐突に一緒にコンビニ行ったり……そういう何気ない日常をあなたと送りたい。ありがとう……ありがとう」

 あまりの嬉しさに、私の心は高鳴りっぱなしで彼にこの音が聞こえてるんじゃないかというぐらいだった。
 中距離恋愛になる私達だけど、会えない距離じゃない。
 二人の明るい未来を意識していれば、きっとこの離れた時間すら愛を深める準備期間になるはずだ。

 美しいものの価値基準を教えてくれた綾人。
 この大事な宝は、きっと宝石をもらうよりずっとずっと嬉しい事。
 そんなあなたが一生傍にいてくれるっていうんだもの、私はこれから起こるだろう様々なトラブルもきっと乗り切っていける。
 もちろん綾人に綺麗だねって言われるように女を磨く努力は欠かさないよ。
心も肌も全部ね。

 本当に美しい人。

 それは自分を愛し、他人を愛する心を持つ人の事。
 植物へも動物へも全て平等に愛を注げる人の事。

 そういう生活を送ってると、自然と目に入るもの全てが美しく感じるの。
 不思議だけど……これはエルマジックなのかな。
 あなたの大切な言葉を私に分けてくれてありがとう。



 心の親友エル。

 私の愛する人、綾人。



 あなた達を私は一生愛するわ・・・大好きよ。




Only You END
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