龍太郎一味のご無体な学園生活
雪菜は小岩井の素性を知っている。

かつて存在した結界師の村で、村に起きる災厄を一身に背負わされた呪われし子供『穢れ子(けがれご)』として育った事、命と引き換えに村を襲った人外と刺し違え、天神の地で絶命して尚幽霊としてこの地に留まった事、そして雪菜をより確実に守る為に死神となった事。

全ては己の選んだ道だ。

誰を恨む訳でもないし、後悔はしていない。

ただ。

最近時々思うのだ。

真っ白で無垢な雪菜、夢に向かって邁進する龍太郎や一味の仲間。

『命のやり取りを禁ず』という掟に従い、どんな相手でも赦し、どんな悪党でも最後には見逃す。

なのに自分ときたら…。

職務とはいえ、死神である小岩井は命を刈り取る。

天神学園の掟を破りながらも、彼は天神学園に在籍している…。

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