龍太郎一味のご無体な学園生活

歌えレディ

左手を握り締め、開いてみる。

随分とマシになったものだ。

一時はもう無理だと思った。

二度とバイオリンを弾く事さえ出来ないと思った。

心配をかけてしまった。

拓斗に、花音に、大切なあの人に、そして。

「君にもだね、レディ…」

橘 和音は愛用の名器『レディ・ブラント』に語りかけた。

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