泣き虫な王子様
小学校一年生の時、あたしと一希くんは同じクラスだった。

「おい一希~足遅ぇよ!」

『しょうがないじゃ…ワァァン』
「また泣いてるし、お前男だろ!?」

あたしの知ってる一希くんは、泣き虫で有名で、いじられキャラだった。

「一希くん大丈夫!?」

『ふぇっ…雫ちゃん…』

「また雫かよ…チェッ」

あたしは喧嘩が強いと有名で、一希くんを守っていた。

「一希くん…大丈夫!?」

『ありがとう…雫ちゃん。』
あたしは、この時から、一希くんが好きだった。

でも、この年の終わりには、一希くんは引っ越してしまった。
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