あなたの体温で癒して・・・②
「それは残念な事だけど、

ここに医者がいないのは、

もっとダメだと思う」


「・・・それって?」


「美晴の思った通りだよ。

オレはここから出るつもりはない」


そう言って微笑んだ孝明。

・・・

じゃあずっとここに

大好きな島の人たちの傍に、

いれるんだね?


「でもな・・・

向こうにも、

オレを必要としてくれてる人たちがいる。

この話を持ちかけたのは、

大学の時の友人で颯太って言うんだ。

そいつの病院で、週に一度、

外来を受け持つことにした」


・・・

「本当は、ずっと、

向こうで働きたいんじゃないの?」


「いや、それはない。

オレもこの島が気に入ってる。

だからここで一生過ごしたい。

ただ、向こうに手助けも、

少なからずしてやりたい」
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