不遜な蜜月

他人の気持ちのすべてを理解しようなんて、無理な話だ。

受け入れようとしても、許容量というものがある。


だから、寄り添うくらいの優しさでいい。


「・・・・・・っ」


触れ合うだけのキスに、頬がいやに熱い。

暖房が効き過ぎてる。

きっとそうだ。


「しゃ、社長?」


理人の唇が、顎からその下、首筋に移動して、真緒はビクリと体を震わせた。


「大丈夫だから。少しだけ・・・・・・我慢して」

「え? ・・・・・・っ」


鎖骨のあたりを、強く吸われた。

少し痛いくらいの強さに、真緒は戸惑ってしまう。


「・・・・・・」


理人が離れて、ようやく真緒は安堵の息をつけた。

どうやら、自分は息を止めていたらしい。

呼吸がちょっと、速い。


「部屋まで送るか?」

「だ、大丈夫です」


< 186 / 355 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop