野獣な執事とワンコお嬢様
学校へ行きますよ、お嬢様
【琴音】



あたしは昔から、ヒョウの手のひらで踊ってる。



それは自覚してる。



だけど、これは自分ではどうしようもないことで。



あたしの頭の中は、ヒョウの思うがままに行動してしまうんだ。



きっと、幼少期にたくさんイジメられたことが関わっている。



嫌いなヘビや、トカゲ、カエル…。



それを捕まえ、わざわざあたしの所へ持ってくる。



頭の上にカエルを乗せられた時は、ショックが大きすぎて失神した。



その時の黒い笑みは、一生忘れられない…。



で、そんなヒョウは今日から同じ学校に通うわけだけど…。



なぜ制服を着てない?



「お嬢様、サラダが残っておりますが?」

「もう食べられない…」

「ほぅ…」

「なっ、なに…」

「大変心苦しいのですが、ムリヤリ突っ込ませていただきます」

「えっ!?ちょっ…自分で食べますっ!!」

「それはよかった。1日の始まりは朝ご飯ですからね」



その笑顔が怖い…。



昔は眉間にシワを寄せられるのが怖かった。



だけど今は、その笑顔が恐怖以外の何物でもない。



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