家元の寵愛≪壱≫
シャワーを浴び終えた俺は
身支度を済ませ、
愛用の香水を軽くつけて……。
「ゆの、行くぞ?」
「はい」
ゆのの手を取り、母屋へ。
居間にいる両親に……。
「明日、明後日は宜しくお願いします」
「ん、2人とも楽しんで来なさい」
「「はい」」
「ゆのちゃん、隼斗にい~~っぱい甘えておいで?」
「ッ?!////……はい////」
「2人とも気をつけて」
「ん、行って来ます」
「行って参ります」
俺とゆのが軽く会釈し、
居間を後にして玄関へと向かうと
「隼斗、楽しみにしてるからねぇ~?」
「はっ?!なっ、何がだよ!?」
背後から母さんが要らぬ事を叫んでる。
ったく、母さんとは真面な会話すら出来ない。
最近、顔を合わせる度に
『赤ちゃんまだ~?』が口癖。
ゆのはまだ18歳で大学1年だっつうの!!
明日、誕生日だからって、まだ10代。
子供は欲しいが、それはまだまだ先の事。
今はゆのと2人、ゆっくり過ごしたい。