家元の寵愛≪壱≫
やっと涙が止まりかけた頃、
「もう泣くな。そんなに可愛いことされたら、気が狂ってメチャクチャにしたくなるだろ?」
そう囁いて私をギューっと抱きしめてくれた。
私は……。
「……メチャクチャに…して…下さい////」
「えっ?」
「………して…下さい////////」
「ッ?!////」
私は両手を広げて、
隼斗さんに思いっきり抱きついた。
「知らねぇぞ?」
「………はい////////」
そっと顔を上げると、
艶めかしいほどの妖艶な笑みを浮かべ、
腰と後頭部に添えられた手に力が入る。
そして……。
いつもより激しく、狂おしいほどの熱い口づけ。
何度も…何度も……角度を変え…。
そっと押し倒した私の身体を
……優しく包み込む腕。
止めどなく降り注ぐキスの雨。
私の淀んだ心を浄化するかのように。
私はそんな彼の愛を全身で感じていた。